これまで長い間ずっと「薄毛の悩み」は男性の悩みと思われてきましたが、だからと言って女性が薄毛にならない訳ではありません。薄毛は人命に直結するような病気ではありませんが、薄毛の辛さは男性でも女性でも同じように感じ得るものであり、男性でも女性でも薄毛になることで自分に自信がなくなり、笑えなくなり、人目が気になって、最悪の場合にはうつ病になって精神を病んでしまう方もいらっしゃるのです。

 

 

カツラや植毛などの対策がない訳ではありませんが、「髪が無くなった」ために起こる問題の解決としては当然「また自分自身の髪の毛が生えてくること」なのですが、薄毛治療の一番の問題はそれが命に直結する病気ではないために保険が効かないことにあり、可能な限り経済的にも労力的にもハードルが低く、かつ効果的な治療法を選択しなければいけません。

 

 

最適な治療法を選択するために、まずは一般的な薄毛治療法の概略を知る必要があります。 最も費用が安く一般的に広まっているのが薄毛治療用の医薬品の服用であり、内服薬である「プロペシア」や外用薬である「リアップ」などよく知られているお薬は医師とのカウンセリングによって髪と頭皮の状態を確認し、薄毛の症状・患者さんの体質や生活習慣などを考慮しながら治療方法を決める上で適していると思われるものが選択されます。比較的費用が安く抑えられるために薄毛治療の第一歩として一般的な選択ですが必ずしも効果が見られるとは限らず、内服薬や外用薬以外の方法としては、育毛に有効な成分を頭皮から直接注入する2つの方法があり、これがメソセラピーとHARG治療と呼ばれるものです。両者の違いは注入される薬剤にあり、メソセラピーもHARG治療も基本的には同じ様な育毛に効果のある薬剤を使っており「細胞成長因子(グロースファクター)」というものが含まれますので、大きな違いはありませんが、HARG治療はHARGカクテルというブランド名がついた薬剤をHARGの総代理店から輸入して使わなければなりません。そのネームバリューや手間賃といいうところで、かなり高額になります。

 

この細胞成長因子としては人の幹細胞から抽出したたんぱく質であるAAAPと言うものが使われており、このAAAPが頭皮から注入されることによって、毛根内の毛母細胞を活性化させて薄毛の方の休眠していた毛母細胞を再び活動させるのです。従って、この細胞成長因子がある分だけメソセラピーよりも高い効果が期待できる治療法と言うことができますが、残念ながら当然メリットばかりがある訳ではなく、一番の問題は治療費であり、施術1回あたりの費用でメソセラピーとHARG治療費用の比較をしてみると、メソセラピーでは最低でも2万円台程度が相場と言われるのに対してHARG治療では最低でも12万円が一応の目安とさておりとてもメソセラピーとは並べられるものではありません。なお、HARG治療はある種のブランドであり、これを名乗ることができるのは日本医療毛髪再生研究会によりHARG治療施設との認定を受けた医療機関だけです。

 

 

薄毛治療においては保険が適用されず、治療方法によって効果や費用の差が非常に大きくなっているため、まずは医師のカウンセリングや検査を受けて、自分自身の薄毛の状態や理由をきちんと確認し、その上で医薬品の服用から始め、段階的にメソセラピーを試し、さらに効果が感じられない場合にはHARG治療に踏み切るのが一般的です。予算が許して状況が逼迫している場合には、最初から最も効果的な治療方法に踏み切ることも可能ですし、逆に予算と効果の問題からどこかの段階で治療を止めてしまうと言う判断もありえます。多くの方にとって予算も時間も無限ではありませんから、自分に取って最良の結果が得られるように、情報収集は常に怠らずに後悔のない選択をすることが一番重要です。